安城学園高校では、9月に行われた学園祭のテーマ企画として「核兵器禁止条約」を軸に据え、「核兵器禁止条約批准の賛否を問う模擬国民投票」や、核廃絶に向けた調査展示などを行いました。そのための学びを深める一環として、8月5日から4日間の日程で5名の生徒が「命を学ぶプロジェクト 福島スタディーツアー」に出かけました。生徒たちは、東日本大震災と福島第一原発事故の影響が今なお残る福島を訪れ、事実や思いを伝え続ける人々の話を聴いてきました。
◆訪問先
ふくしまリアリ / 原子力災害考証館 furusato / 中間貯蔵事業情報センター / 東日本大震災・原子力災害伝承館 / 希望の牧場よしざわ / ならはみらい / 宝鏡寺・伝言館 / ひまわり農園 / 陶徳窯(大堀相馬焼)※福島県立あさか開成高等学校の皆さんと交流
この経験を通し、生徒たちは「震災は過去の出来事ではなく、今も続いている現実だ」と感じ、「自分たちが伝えていくべきだと思った」という強い思いを抱きました。同校で毎年学園祭テーマ企画と連動で制作されている放送劇の今年のタイトルは「福島の大地に立って~牛と遺骨とひまわりたち」。ツアーで得た、命の重みや原発事故の現実、そして希望を見つけ出す強い意志を全校に伝えるものでした。
また、このツアーのご縁から、10月26日(日)には同校で行われた「ふれ愛ときめき西三河フェスティバル」にて、 訪問先の一つである「原子力災害考証館furusato」館主 里見喜生氏を講師としてお招きし、「風化と闘う ~原子力災害考証館開設の思い」と題した講演会を開催。講演後は参加した生徒たちからの感想や質問に対し、里見氏がひとつひとつ丁寧に返答され、生徒たちも真剣に耳を傾けていました。
震災から14年が経過し、核兵器や原発事故といった課題が身近な話題として扱われにくい中で、ツアーでの学びと里見氏の講演は、将来を担う高校生たちが震災の現実を「他人事」ではなく「ジブンゴト」として捉え、考え、行動し続ける意義を学び、次世代へと記憶をつないでいく重要な機会となりました。
安城学園高校と福島県とは「福島ひまわり里親プロジェクト」とのご縁も長く、講演会後には、このプロジェクトに賛同し、ご協力いただいている、「咲かそうひまわりの会」の河原代表から里見氏へ、今年収穫されたひまわりの種の贈呈式も行われました。(予定されていた種を付けたバルーンリリースは、雨天のため中止となりました)









