学校法人安城学園
『教育にイノベーションを』−安城学園100年の歴史と展望−
第4章 真の地域貢献めざし - 温故知新 #3 (第157話)
公開日 2012/11/13
かつて安城女子職業学校の正門だった石柱。現在は安城学園高等学校の中庭に屹立 明治末期の三河地方では、「女が学校に行く。それはドブにお金を捨てるようにもったいないことだ」という風潮が強かった。しかし、創立者の一人寺部だいは、「そうではない。男に生まれようが女に生まれようが、人間としてこの世に生を受けた限りだれでも無限の可能性を持っている。一人一人の潜在能力を可能性の限界まで開発するのが教育だ」と考え、当時安城に女性のための教育機関がなかったので、実際に学校を作った―これが、安城女子職業学校である。以来、学校法人安城学園では、「だれでも無限の可能性を持っている」を合言葉にして教育活動を展開してきた。
 ところで現在の日本の社会には数多の課題があるが、これらの課題は政治や行政に携わる人々だけが解決するものではなく、一般の社会人にとっても共通の課題である。自分の世界のことだけでなく、政治・経済全般にも広く深く関心を持つ必要がある。
 また、学校教育も大きく変わる必要がある。基礎学力と専門知識・技術を身に付けることを中心にした学校教育から、基礎学力と専門知識・技術に加えて課題解決能力を身に付けることを中心にした学校教育へ―。
 そこで、学園では様々な産学連携事業に取り組んだ。また、経済産業省の提唱する職場と地域社会で多様な人々と必要とされる社会人基礎力の育成事業にも参加した。これらの事業を行う中で、PBLという教育手法を通して、学生の学ぶ意欲を高めることができること、学生が学ぶ歓びを経験することができること、さらにこれからの社会で必要な問題解決能力を身に付けることができることを発見。そこで学園として、社会人基礎力を核にした教育改革によって『教育にイノベーション』を興すべく、「無限の可能性」という教育プログラムを現在開発中である。これは、「無限の可能性」という創立者の教育信条を現代社会に甦らせる試みでもある。
―生きる意志に満ち溢れ、生きる力に満ち溢れ、生きる歓びに満ち溢れた人を育てる―ために、学園ではこれからも「無限の可能性」に挑戦してゆく。
(つづく)
※ 文中敬称略
 
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