学校法人安城学園
『教育にイノベーションを』−安城学園100年の歴史と展望−
第4章 真の地域貢献めざし - 刷新は日々に #4 (第144話)
公開日 2012/10/27
共学初の岡崎城西高等学校入学式「時代の要望に対応する新しい教育環境、『男女共同参画』の時代に合った幅広い教育を行い、地域に開放された魅力ある学校を目指す」

 共学化の方向性はこんな文言で表された。この高揚感が示すように、岡崎城西高等学校の共学第1期生の高校生活は17クラス編成、男女同席で開始された。当然のこととして「混合名簿制」(男女別になっている名簿を男女混合にすること)を採用した。このことは予想以上の反響を呼び、入学式のときをはじめマスコミがしばしば取材に訪れた。
 共学初年度は、女子生徒は全校生徒の1割にも満たなかった。だが、女子生徒たちは、男子校の中にあっても意気軒昂(いきけんこう)だった。学校行事などでも、明るく気後れしない活動が展開され、男女数の不均衡を感じさせなかった。校内の雰囲気も大きく変わっていった。

「学内が明るく活性化してきている」
「女子の方が行動面では積極的である」

 共学の1年を振り返って行われたアンケートでは、教職員の多くがこう回答した。
 一方、女子生徒へのアンケート結果では、「楽しく充実していた」が63%、「よい友達ができた」が93%。学校に対する満足度も約70%に達する高評価が得られた。
 教職員にとっては、これまでの男子オンリーから女子生徒への対応に戸惑いを感ずることも少なからずあったものの、共学は学校活性化に大きなプラスになっていた。
 こうした男女共学の話題が熱く語られるうち、曉理事長が政策室で提案していた「学園報告討論会」がいよいよ動き出した。
 理事長の諮問機関として発足した「政策室」は新たな教育方針の実現に向けて課題に取り組むものであり、男女共学化やカリキュラムの検討などその後の方向性が決められていったが、政策室ではまた、教育の点検と評価のための「学園報告討論会」の継続的な開催が提案された。目的は、「学園に在職する全教職員が一堂に会し、日々抱えるさまざまな課題を共有し、教職員個々に使命感を自覚させ、自らを高揚させよう」ということにあった。
(つづく)
※ 文中敬称略
 
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