学校法人安城学園
『教育にイノベーションを』−安城学園100年の歴史と展望−
第1章 社会適応の人材育成 - 社会人基礎力を学生に #10 (第20話)
公開日 2012/05/26
住民によるマップづくり作業に学生も参加「交通事故に遭わない逢妻地区とするため、地域会議を中心に地域全員で時間をかけて調べたヒヤリハットマップが発表されていました。このマップをもとに、これから地域全体で安全への取組が進められることでしょう。また会場内では、様々な体験ができるコーナーが設けられ、愛知学泉大学の教授の方々や大学生の指導の下、楽しみながら参加する子どもたちも多く、逢妻地域の人たちの意識の高さを感じました。これを契機にして、市内一番の安全な地域、人と人の絆(きずな)が深まり文字通りスマイルアンドセーフティな地域に向かって進んでいくに違いないと思いました。(後略)」

 市長の視野には、「社会人基礎力」の育成に取り組む学生たちの姿が確かにとらえられていたのだ。
 大学では、この事業で逢妻地域会議のほか豊田市自治振興課・東京海上日動リスクコンサルティングをパートナーとし、トヨタ自動車・日本自動車工業会の協力も得たが、こうして地域や行政・事業の人々と共に調査活動やイベントの運営等に携わることで、学生たちは地域の人々のまちづくりにかける思い、企業の社会貢献事業などを知り、地域の問題にあらゆる立場の人々がかかわっていくことの重要性を学んだ。
 コミュニティ政策学部は、「地域住民参加のまちづくり」のノウハウ学習にも挑戦した。平成21(2009)年から市民と共同して実現する西春日井郡豊山町のまちづくりプロジェクトを支援。豊山町の行政職員(経済建設都市計画課)、町民と共に、まちづくりの課題を調査・研究した。
 住民が自分のまちを実際に歩き、地域の魅力や問題点をマップにまとめる作業に学生も参加するとともに、数回にわたって、まちづくりに対する町民の意見や意向を聞く場である“ワークショップ”を企画・運営し、活発な意見交換を図った。こうしたワークショップでの経験を通じて、「行政任せでなく、“自分たちのまちは自分たちでよくしていく”という意識があってこそ、いいまちができるのだ」と気づいた学生、彼は着実に傾聴力・状況把握力、そして主体性や柔軟性も培っていったのだった。
(つづく)
※ 文中敬称略
 
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