学校法人安城学園
『教育にイノベーションを』−安城学園100年の歴史と展望−
第1章 社会適応の人材育成 - 社会人基礎力を学生に #3 (第13話)
公開日 2012/05/18
愛知学泉大学豊田キャンパス 大学生には、「意欲」「表現力」「語学・語彙(ごい)力」などの不足感が見られるという。大学生の学力低下の背景には、基礎学力の習得が不十分なほか、自主的に課題に取り組む意欲が低い、論理的に考え表現する力が弱い、日本語力が弱いといった背景があることが指摘されてもいる。
 学園では、こうした点に着目した。
 学生たちには、基礎学力や専門知識に加え、コミュニケーション能力や実行力を身につけさせてやりたい。そうした教育こそがこれからの社会において大いに活躍しうる人材の育成に結びつく…。
 その思いを、経済産業省が後押しした。
 大学生の学力低下・就職難など教育あるいは雇用に関する構造問題が急速に顕在化してきている中、近年、各省庁では相次いでさまざまな「○○力」を提言し、それぞれに政策を進めている。
 曰く。人間力(内閣府)、学士力(文部科学省)、就職基礎能力(厚生労働省)、社会人基礎力(経済産業省)等々。
 そのうち、経済産業省が打ち出した「社会人基礎力」は、「職場や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎的な能力」と定義されており、「学歴や知識だけでなく、社会人基礎力を見極め、それを発揮した行動事実や、行動事実に基づく強み・弱みの自己評価、他者評価の結果は、学生が自分自身をより深く理解するのに有用である」と意義づけるものであった。
 この行動特性を提唱した経済産業省では、平成18(2006)年度から「社会人基礎力育成」事業を推進し、毎年度数多い応募の中から9〜12校をモデル事業委託校として採択し、「社会人基礎力」の普及を図っている。
 愛知学泉大学は毎年度採択され、この教育システムの醸成を進めているのである。

* * * * *

 「社会人基礎力」とは、簡潔にくだいていえば、「社会人として求められる基礎的な力」、目的観を加えていえば「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」である。
(つづく)
※ 文中敬称略
 
Copyright © 2011-2014 Anjo Gakuen Education Foundation. All rights reserved.