学校法人安城学園
『教育にイノベーションを』−安城学園100年の歴史と展望−
第1章 社会適応の人材育成 - 社会人基礎力を学生に #2 (第12話)
公開日 2012/05/17
愛知学泉大学・短期大学岡崎キャンパス 「大学生の学力低下」の議論は古くからあったが、近年特に、「大学生の学習意欲と学力低下」が問題視されている。
 小中学校レベルの数学(算数)のテストを大学で行ったところ、分数のできない大学生のいる実態が明らかになり、大学生の学力低下問題の議論が沸騰した。大学入試センター教授らの研究グループによると、大学教員の10人に6人が大学生の「学力低下」を問題視しているという調査結果もある。

「受験生が大学・短期大学の選り好みをせず、合格できる大学に入学した場合の理論上の入学率は、平成19(2007)年度の入試で100%になる」

 中央教育審議会の大学分科会ではこんな試算を示したが、ときはすでに「大学全入時代」に…。
 倍率が1.0倍で、入学願書を提出すればほぼ全員合格する大学・学部がすでに存在し、全大学の30%が定員割れを起こしていると言われている。
 そうした大学全入を迎えた時代には、大学生の基礎学力不足は一層深刻化するであろうことが予測された。
 そしてまた、学生の「学ぶ意欲」が低下していることにも、多くの大学関係者は危機感を持った。

「何のために大学に進学するのか」
「何を学びにいくのか」

 自らの進学目的を明確にするとともに、「自らの可能性を広げるために人は学び続ける」ということを強く意識することが大学生に求められている。
 ここに大学の危機意識が高まった。
 学力低下を受けて、大学ではどのような学部教育をすべきなのか、入学直後の初年次の教育設計から、授業内容や教育方法の改善向上をどのように図るべきか、議論が始められた。
 こうしたなか、安城学園では、大学教育の改善は大学の責務であり、学生の学習意欲の向上を図る必要があると考えた。
 大学教育の改善・活性化策をどのように捉え、進めていくか…。
(つづく)
※ 文中敬称略
 
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