学校法人安城学園
『教育にイノベーションを』−安城学園100年の歴史と展望−
第4章 真の地域貢献めざし - 経営改革を今に #6 (第140話)
公開日 2012/10/23
コミュニティ政策研究所第5回シンポジウム「地方分権とまちづくり」「地域政策学部をカタカナにしただけのことではないか」

 学部の名に冠せられる「コミュニティ」という言葉については、学部名称として初めてとあって、文部省・設置審議会でも議論となった。これに対して、学園では、「例えば、国づくりの視点からまちづくりを考えるのと、まちづくりの視点から国づくりを考えるのとでは発想が根本的に違う」と地域政策学部系とコミュニティ政策学部との差別化を強調して、主体性を訴えた。
 言葉の上だけの説得ではなく、実際に示すこともした。
 平成8(1996)年5月、学部に先立って「コミュニティ政策研究所」を立ち上げた。多彩な講演会やシンポジウムを頻繁に開いて、地元と連携することと学部の趣旨を広報した。
 こうして、9月26日に申請書類が文部省に提出され、翌9(1997)年1月からいよいよ文部省〔面接〕が始まることになった。

* * * * *

 そうした中、1月、学園の新年交礼会が開かれた。
 ここで理事長挨拶に立った曉は、理事長の直轄機関として「政策室」「政策部会」を設けると表明した。
 それは、先に標榜した「縦の接続、横の連携」の具現を目指す実行機関であり、政策室は学園全体の政策を検討する機関、政策部会は各学校の政策を検討するものである。
 表明5ヵ月後、6月にこれが始動した。
 政策部会は大学政策部会、短期大学政策部会に分かれ、政策室は理事長を室長として7名のメンバー、各部会はそれぞれの関係校の教員、事務職員13名で構成された。
 また、「縦の接続、横の連携」強化のための組織も設置された。高等学校と大学の縦の関係を強めてより効果的な教育連携を図るため、日常的な協議の場として「高校・大学教育連絡協議会」「高校・短大教育連絡会」が設けられ、一方、学校間の連携強化のため連絡会として、学園全体の委員会(「国際交流フォーラム」「情報教育フォーラム」「事務システム化フォーラム」)が設けられた。
 以降、政策室は通算117回もの会議を重ねるが、こうした政策検討機関によって強力に学園のベクトルが定められていった。
(つづく)
※ 文中敬称略
 
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