学校法人安城学園
『教育にイノベーションを』−安城学園100年の歴史と展望−
第3章 拡張の道は広く - 後継者の覚悟 #6 (第122話)
公開日 2012/10/01
昭和 43年に完成した短期大学安城キャンパスの校舎 学園は第2次計画によって、昭和53(1978)年頃には一応の基盤整備を終え、更なる総合的学園としての発展拡充へと入っていく。その様は系列各校それぞれに華開くの感があった。
 学園は、学園創立65周年を記念して、昭和52(1977)年に“学園の顔”ともいうべき本部管理棟を竣工した。
 学園の核と目される大学では、学園創立60周年を迎えた記念に昭和47(1972)年、図書館を増築するとともに、生活文化研究所(現ライフデザイン研究所)を開設。昭和50(1975)年に第1回ヨーロッパ研修旅行を実施したのに続いて、昭和52(1977)年に

・家政学部に欧米文化コース新設
・南棟・管理棟竣工(岡崎キャンパス)

 を行って、国際化志向を鮮明に打ち出した。
 これらの中で、「安城学園大学生活文化研究所」は特に注目されるものだった。
 安城学園大学のメイン学科である家政学においては、昭和47(1972)年前後から、家政学を生活の科学として再構築しようとする試みが始まり、家政学における総合科目への取り組みが強められた。一般教育科目に「一般教育総論」が設けられ、「家庭生活論」などの家政学特別講義も実施された。
 その中、「生活文化研究所」は“安城学園・家政学”ともいうべきものの成立を目指す学内組織として位置づけされるものであった。その趣旨はこうだ。

「本研究所は、学園創設者寺部だいの基本的な教育理念である『人間の能力は計り知れない』『女性の潜在能力は無限である』『それは可能性の限界にまで開発することが出来る』を実現し、高度消費社会における家政学の領域を人間生活に関する総合科学として確立することを期している」

 その標榜には大きく建学の理念に基づく研究機関であることが謳(うた)われていた。
 こうして研究対象も多彩に、生活を対象とする総合的な、また自学独自のものとしての家政学の研究が本格化していったのであった。
(つづく)
※ 文中敬称略
 
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