学校法人安城学園
『教育にイノベーションを』−安城学園100年の歴史と展望−
第1章 社会適応の人材育成 - 産学連携で商品開発 #4 (第7話)
公開日 2012/05/11
いちじく加工商品開発打ち合わせ 家政学部家政学科管理栄養士専攻が産学連携により、企業と協力しながら商品開発を行う例はほかにもある。
 平成21(2009)年度のプロジェクトとして、弁当開発プロジェクトのほかに、安城市・安城商工会議所・JAあいち中央・山崎製パン安城工場をパートナーとして、地域特産日本一のいちじくを使った加工食品開発を行った。
 いちじくは聖書にも登場するように、古くから人々に親しまれている果物である。愛知県内でいちじく栽培が本格化したのは昭和40年代に入ってから。昭和45(1970)年から始まった農作転換政策により栽培が増え、今日では安城・碧南地区は「日本一のいちじく産地」としての地歩を築いている。
 プロジェクトは、その安城の特産品であるいちじくの需要を振興するというばかりでなく、いちじくの中でも生食用としては市場に出せない規格外品の活用をねらった加工品開発でもあった。
 提携先がこのプロジェクトに寄せる期待と要望はさまざまだった。安城市、安城商工会議所では、地域農業の一層の活性化や市域における商工業の振興など経済振興だったが、JAあいち中央や山崎製パンでは、きわめて具体的だった。

「規格外品として冷凍されたいちじくの販路を拡大して、いちじくを栽培する傘下組合員の経営安定につなげたい」(JAあいち中央)
「冷凍いちじくを原料にした新規パン類の開発を期待したい」(山崎製パン)

 共通の目標は「冷凍いちじく」を原料にした加工食品だった。
 いちじくの規格外品(冷凍いちじく)を利用した加工品としては、すでにスブレッド、ソース、ジャム、ワイン、ドリンクなど、あまたの商品が開発されており、山崎製パンもまたJAあいち中央から出荷された冷凍いちじくを原料にして、すでにいちじくジャムを使った「ランチパック」や「イチジクパイ」を市販していた。
 それをかいくぐって、新規製品として何を作るか―。
 プロジェクトはその模索から始まった。
(つづく)
※ 文中敬称略
 
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