学校法人安城学園
『教育にイノベーションを』−安城学園100年の歴史と展望−
第1章 社会適応の人材育成 - 産学連携で商品開発 #2 (第5話)
公開日 2012/05/09
学生たちも店頭に立って説明 愛知学泉大学家政学部家政学科管理栄養士専攻の学生八人が二班に分かれ、玉木屋とは鉄分を強化した「多彩菜(たさいな)弁当」を、松美屋とはカルシウム豊富な「満菜強Ca(まんさいきょうか)弁当」をそれぞれ創(つく)った。
 キーワードは「管理栄養+ヘルシー」だ。最近は、弁当など新商品がよく開発される。その多くは主に“地産地消”にこだわったものが多い。しかし、愛知学泉大生が取り組んだのは、“地産地消”だけでなく、栄養管理の知識を生かしたメタボ対応の、しかも栄養は十分に配慮した、腐心のヘルシー弁当である。
 学生がメニューを提案し、店側が客の好みやコストなどをもとに内容を調整。イタリアンつくねや炊き込みご飯など(多彩菜弁当)、サバのみそだれ、小松菜寒天など(満菜強Ca弁当)を入れ、炭水化物、タンパク質、脂質がバランス良く取れるように考案した。どちらも一日に必要な野菜の80%以上、ミネラルの40%以上が取れる内容に仕上げられた。
 管理栄養士専攻で学ぶ基礎知識(食品学、食品加工学、調理学)やそれらの実験科目で得た能力をフルに活かしたものだ。

「学生考案のヘルシー弁当 愛知学泉大と総菜店が協力し開発」

 こんな見出しで、この取り組みがマスコミにも大きく報道されて、話題を呼んだ。
 共同開発の弁当は老舗ブランドの定番商品に加え、両店舗で2月25日から3月25日までの1ヵ月、販売日や数量を限定して販売された。販売当日の昼ごろには開発に携わった学生たちも店頭に立って、弁当の説明に当たり、PRに努めた。
 安城学園は、「まちづくりのための人づくり」をコンセプトに、いま地域社会で活躍できる人材育成として、企業や行政機関などと研究・連携しながらさまざまな活動を行っている。このヘルシー弁当開発も安城商工会議所との産学連携の一環として、実現した活動だった。
 だが、弁当開発プロジェクトは、この年に初めて始まったものではない。
(つづく)
※ 文中敬称略
 
Copyright © 2011-2014 Anjo Gakuen Education Foundation. All rights reserved.